困った師匠に困る弟子


やなじみどぅり はなくれな瀞
ふぃとぅなさき うんみにをぅ瀞
勝連繁雄「改訂歌三線の世界ー古典の魂ー」

やなじどぅ はなくれな瀞
ふぃとぅただただなさき うむみにをぅ瀞
勝連繁雄「琉球舞踏の世界ー私の鑑賞法ー」

上は同じ著者による「柳節」ですが、「梅」の読み仮名が「うんみ」と「うむみ」と違っています。唄三線の師匠Aは弟子に「うんみ」、師匠Bは「うむみ」と、それぞれ書いてある通り歌いなさいと指導しています。師匠が違うと発音が違い、弟子は「Aのときは『うんみ』、Bのときは『うむみ』」と、使い分けされられています。本当の発音は「望み」(?Nmi)で、おそらく著者は仮名で発音を表すのに苦労したのでしょう。うちなーぐちがちゃんとできない師匠は、文字通りに発音するしか知識がないようです。そんな師匠では弟子が気の毒です。

うたさんしんしょーぬ望じとー廒、沖縄うちなーぐちからん―杖。
(唄三線の先生なのに、沖縄語も分からないのか。)

こんな師匠に付くのはやめましょう。
(参考:國吉眞正さんによる琉球新報論壇2012年9月22日を参考にしました)