グロッタル音

うちなーぐち特有の発音にグロッタル音、声門閉鎖音、あるいは声門破裂音があります。 正式には[ʔ]で表しますが、便宜的に[?]でも表すことがあります。閉鎖したり、破裂したりで、どう発音すればよいのか初心者には謎です。ウィキペディアの声門破裂音を見ても、どう発音すればよいのかは分かりません。「沖縄語の入門」(西岡 敏、仲原 穣)によれば、

一瞬、喉がきゅっと締まり、そのあと音がひゅっと飛び出てくるような音です。(48ページ)

と書いてあります。これを読んだ人は、どうすればいいかまったく分からないばかりでなく、この説明ははっきり言って、間違っています。それより「Okinawan-English Wordbook」(Misugugu Sakihara)(下記の例も同書による)にあるように、

the sound used in English in the informal words uh-huh ‘yes’ and uh-uh ‘no’.(xページ)

つまり、よく英会話中に聞く、「アッハ」(そうだ)、「アッアッー」(ちがう)のuhの音と言った方が分かりやすいと思います。

紙の上であーだ、こーだ言っているより、ちゃんとした(まともな)うちなーぐちができるひとに教えてもらえば簡単です。一度でも「うちなーぐち神奈川」の教室に見学参加してみれば、すぐできるようになります。

うちなーぐちができると自称するひとでも、特に若い世代はグロッタル音に無頓着です。グロッタル音の有無で、言葉の意味が違いますが、同じように発音する沖縄県人が多くなりました。

<例>
いん(犬) 杖ん(縁)
えーま(間) 殺ーま(八重山)
おーじ(扇) をーじ(王子)
揄ー(君、おまえ) やー(家)
敖ー(豚) わー(輪)
望に(稲) んに(胸)
望じゃなー(どもり) んじゃなー(苦菜)