沖縄県での長期にわたる標準語教育もさることながら、特に本島内での学校や会社での人的交流の急速な進展により、島特有の言葉が失われました。純粋な島言葉ができるひとは高齢化と共に急速に減少し、もはや珍しい存在となっています。また、いたとしても、正しい発音や文法を次世代を担う小中学生に分かりやすく、丁寧に教えられるひとも場もありません。仮に島言葉が話せるようになったとしても、それを使う場はありません。各地域から人が集まる仕事場、学校で互いに通じない島言葉が使われるはずもありません。わずかにその地域に残る民謡に活かせるのみです。
沖縄語の共通語である首里言葉についても、同じ状況にあります。ただ、組踊や唄三線の中核となる言葉なので、保存、継承が比較的なされています。とは言え、正しい発音と文法を教えられるひとが少なく、いわゆる師匠と称するひとでも発音があやふやなことは、このブログで何回か指摘してきました。文化デジタルライブラリでも発音をカタカナで示していますが、その通りに唱えを読むのでは正しい発音になりません。なお、閲覧にあたりセキュリティ上問題があるAdobe Flashをインストールしなくてはなくてはなりません。Adobe社はFlashを近い将来廃止する予定なので、このサイトは改造が必要になるでしょう。
私は唄三線に志す年齢ではありませんし、うちなーぐちを流暢に話せるようになろうという望みもありません。ただ、後世に正しい首里言葉を文化遺産としてデジタル資料の形で残すことが願いです。そのために「うちなーぐち神奈川」の普及活動を側面からサポートしています。首里言葉の話者も減り続けています。「うちなーぐち神奈川」がこれから蓄積して行くデジタル資料が、沖縄の伝統芸能を学び始める人たちに利用しやすいものとなるよう微力ながら技術面をお手伝いします。。