資料集に玉城朝薫五番のひとつに「二童敵討」があります。能の「夜討曽我」、「小袖曽我」に想を得て、1719年に冊封使歓待の重陽の宴(旧暦九月九日)で初演されたもので、題名は「護佐丸敵討」とも言い、玉城朝薫(1684―-1734)の組踊五番のひとつです。ストーリー自体は単純な敵討ちですが、尊大豪華な敵役、母子別れ、華麗な若衆踊りで構成されます。特に、鶴松、亀千代ふたりの少年兄弟の踊りが見どころでしょう。兄弟は13歳と12歳の設定で、変声期前の少年がたくまずして持つ「花」が朝薫の狙いです。したがって、成人やまして老齢の演者が兄弟をやっては「二童」ではなくなります。演者の高齢化が進んでいますが、若手、特に年少者の育成が望まれます。