CD:風狂歌人~ザ・ベスト・オブ嘉手苅林昌~に収録されている嘉手刈林昌(1920-1999)と登川誠仁(1932-2013)による
金細工節です。男女三人によりコミカルに踊られる有名な歌です。この二人の掛け合いは絶妙で、ぜひ一度聞かれることを勧めます。一応、下に歌詞を載せましたが、この通りには発音していない部分も多々ありますが、複合子音や破裂音がどうこうとかかわりなく、自由に歌うふたりのうちなーぐちです。
能天気でお調子者の鍛冶屋の加那、惚れた男に自分の摸相(頼母子講)の金を差し出す真牛(尾類、遊女、芸者)、金が入ってホクホク現金なおかみ、と三者を演ずる嘉手刈と登川は何度聞いても見事です。実際の舞台の環境では聞き取りにくい歌詞は以下を参考にしてください。
=歌詞=
美里間切ぬ伊波ぬ金細工ぬ てー慠加那懲 喰廒加那懲が せるく婢や ひーよーひ-よー 嬨―がねー ゆやっさささ ゆやさぬさー
辻ぬ時ぬ真牛 しまぬ二才達ん 案内なしくに 引ち越さい
えー加那懲― 一月三十日なるま廙 我がかねーや いちゃし呉ゆが
心配すな真牛 親ぬゆじりぬ ふーちんあいよ 金具んあいよ うり売廒あんまー 返済すんてー
うりからよいよい 上泊鍛冶屋や 走ち来ゃりば
ふーち買んそり 金具買んそり さんてーまん 買ゆる人や 一人ん居らん
言る内する内 泊高橋 走ち来ゃりば
えー真牛 揄―や 望ま歹廒 煙草吹ち居り 我んやあま行じ 俵銭借廒来―
あまや行じゃく婢 てー慠加那懲 喰廒加那懲ん廙言ち 銭借らする人や居らん
えー真牛 わした男ぬ 泊高橋 返り落廒ら
ま滛ま廒加那懲 去じゃる三月三日 三貫摸合や取てうちぇーさ うり取廒あんまー 返済すんてー
さ廒む真牛 う首尾さる杖
言る内する内 西武門走ち来ゃりば
えー加那懲くまぬ町屋に置ちぇーる くーがくびちん 銭ん担み廒先なりよ
言る内する内 時ぬ門や 走ち来ゃりば
う流たいびら 誰がやー いっ達真牛 そー廒来ゃーびたん
えー加那懲 一月三十日なるま廙 我っ達真牛や かんしよーがらち
えーあんまー いっ達真牛や 去じゃる月から かん嬨あたる
えー加那懲 うりん済むしが 島ぬ滋婢ん かねーん持っち来ゃがや
えーあんまー わした男ぬうりん遅りゆみ
果報し加那懲 裏座んま嬨やい 入っち遊び